行政は子どもたちにツケを残すな
3月議会は次年度1年間の予算を審査する重要な場だ。自治体は単年度予算だが、まちづくりは単年度で完結するものではない。今回、賛成多数で可決された平成26年度予算には、亀岡市の将来のまちのあり方を大きく左右するであろう内容が盛り込まれていた。亀岡駅北に京都府が事業化しようとしているスタジアムに土地を無償提供するため、一帯を公園にするというものだ。
土地を提供するだけで府の大型公共事業がやってくる、という一面もあるが、果たしてこれは十分に検討された施策なのだろうか。議会での議論を見る限り、多くの課題について具体的な解決の道筋が示されないままに、これを進めるという結論が出された。
京都府には『環』の公共事業行動計画という事業評価システムがあり、全ての公共事業の構想段階で、自然・社会環境と共生できることを目的に、庁内と外部有識者の二段階チェックを行う。ところがこのスタジアムは京都府の事業なのに、用地を市に無償提供させるという方式のため、建物に関すること以外は事前評価にかけないというから呆れた話だ。この桂川流域の歴史ある自然環境は、紛れもなく京都府の財産ではないか。府は亀岡市を包含する広域自治体として、用地を含む事業全体を監督遂行していく責任があるはずだ。府ではまだ基本案段階で、この先事前評価で見直しや中止もあり得るというのに、亀岡だけがノーチェックのまま突っ走っている。
予算が付いた以上、市ではこの大きな公共事業は進んでいく。そして公共事業というのは、途中で失敗に気付いても止めることが難しい。しかし、今回の事業は、失敗した時の実害が、過去の失敗事例とは異なり、税金の無駄遣いだけでは済まないことがいくつも危惧されるから、見過ごすわけにはいかない。
この事をより多くの市民に知って欲しいと思う。そして一人ひとりが考え、行動しなければならない。市民が本当に望むまちづくりを市民の手でしていくために。
今ならまだ間に合う。