京都府が亀岡市に建設予定の球技専用スタジアムをめぐる住民投票条例案について、亀岡市議会は13日、反対多数で否決した。採決結果は賛成7、反対18だった。採決に先立って行われた討論で、賛成の市議は「市は住民投票などで十分に情報を提供し、市民合意を図るべき」などと陳述。反対の市議らは条例案の分かりにくさなどを指摘した。

条例制定を直接請求した住民グループ亀岡みらいつくり隊の向井弓子共同代表(59)は「議会は市民の声を聞こうとしてくれなかった。否決されたが、亀岡のまちづくりに関心を持つ市民が増えたと期待したい」と話した。

条例案に反対の意見を表明していた栗山正隆市長は「スタジアムに多くの意見があるのは承知している。可能な限り情報を提供しているし、今後も提供しなければならない」と話した。

亀岡商工会議所など24団体から提出されていたスタジアム建設推進を求める請願は賛成多数で可決した。住民投票条例案は、市が建設用地を府に無償提供することの是非を問う内容。住民グループが3073人の署名とともに制定を求めていた。スタジアムをめぐっては、予定地付近に生息する国の天然記念物アユモドキの絶滅を懸念して日本魚類学会などが予定地変更を求めている。予定地が桂川(保津川)の氾濫原に当たることから、水害や治水への影響も指摘されている。

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